グリーグ :抒情小品集 第4集 メロディー Op.47-3

Grieg, Edvard Hagerup:Lyriske smastykker No.4  "Melodie" Op.47-3

作品概要

楽曲ID:21009
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (755文字)

更新日:2018年11月20日
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ABA形式で、とてもわかりやすく書かれてあります。フレーズは8小節単位で進みます。テンポは 遅くも無く速すぎも無くと理解します。途中piu mosso とstrettoがあり、曲がピークポイントに達した後、 dim molt e meno mossoが書かれてありますので、テンポは変化します。さてここまではそんなに難しくは無いですね。

この曲の難しさは2つあります。1つは和音バランスにあります。メロディーラインと伴奏の区別をこれ以上は無理という位、はっきりとつけます。つまりは伴奏音をぼやかし、メロディーをクリアーに聞かせることです。そうすることで、まず、急ぐ感じを防ぐことができます。伴奏は拍の頭に必ず書かれていますので、伴奏が大きいと拍を刻むことになり、結果機械的な演奏になり、旋律が横に流れません。縦に刻む音楽ではなく、横に流れる音楽を目指すことです。

2つめは、2拍目に付いているアクセントの処理です。メロディー音が1拍目と2拍目が同じ音の時、2拍目にアクセントがついていますね。さて実際に弾いてみるとよくわかるのですが、限られたダイナミックの範囲内で、このアクセントを厳格に守ることは大変難しく、下手をすると耳障りな音を出す結果ともなりかねません。そこでどうすれば良いかというと、1つの案としてですが、2拍目のメロディー音を弾く前に多少の「溜め」を作ります。あるいは2拍目のメロディー音を弾いた後で少し時間を取ります。あるいはその両方です。これをすることによって、2拍目の音を強調することができ、単に鋭いだけのアクセントを避けることができます。アクセントは、時に、その音を強調すると解釈します。

この2つの事柄に工夫をすること。そして和声の変化によって、感情の変化を聞き手に伝えることが重要になります。

執筆者: 大井 和郎

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