グリーグ :ホルベルク組曲(ホルベアの時代より) エア(アリア) Op.40-4

Grieg, Edvard Hagerup:Suite "Fra Holbergs Tid" "Air" Op.40-4

作品概要

楽曲ID:20991
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:9分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展2 発展3 発展4 発展5 展開1

楽譜情報:2件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1172文字)

更新日:2018年3月12日
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4. エア  

絶大な美しさを持つ曲です。歌と伴奏のアンサンブルですのでルバートを使い、たっぷりと歌い上げます。多くの細かい音符が出てきます。32分音符の3連符などです。これらの扱いは、機械的にならないように注意します。これは後述いたします。そのほか、曲中には普通の弾き方で弾くとどうしても無理なパッセージがいくつかあり、特殊な方法を用います。  

冒頭から見ていきましょう。歌と伴奏のバランスを取りつつ、歌が自由に歌います。伴奏はそれをフォローする感じです。1小節目、コンスタントな伴奏がありますが、2小節目でいきなり32分の3連符が出てきますね。ここで決して急がないことが重要なヒントになります。2小節目1拍目の右手、DCBC は、メロディックに、軽く、しかし急ぐことなく、機械的にならずに、即興的に、大きすぎず、小さすぎず演奏します。そうすると、この1拍目表拍には余計に時間が必要となりますので、時間を取ります。結果、伴奏の左手の最初の和音は、次の和音を弾くまでに時間が必要となり、その通りに時間を取って下さい。  

以下、このような細かいパッセージが出てくる部分は同様に時間を食います。くれぐれも右手が機械的にならないように気をつけてください。歌のソロは、8小節目まで続きます。9小節目、別の男性歌手が登場します。同様に即興的に演奏してください。そして12小節目、3拍目で2人の歌手がデュエットになります。15小節目、左のオクターブはくれぐれも大きくならないようにします。  

続いてBセクション、26-29小節間、ピークを迎える部分に入りますが、26小節目、是非ともバスのEsを残したいので、右手Gのオクターブと、左手最低音のEsを同時に打伴し、左手残りのEsとBは、最低音のEsを打伴した後に弾きます。そうすることで、バスをキープできますし、濁りを避けることもできます。  

31小節目以降より、再び2人の歌手の掛け合いが始まります。そして40小節目、テノール歌手が歌うのですが、そこから先、1拍目の和音はとても弾きにくく、下手をすると望んでいるタイミングを失いかねません。そこで右手も使い、和音を簡単に弾くようにします。以下、右手で弾く、ヘ音記号に書かれてある和音です。  

右手で取る音:  

40小節目 5つの音のうち上の3つ  

41小節目 5つの音のうち上の1つ  

42小節目 6つの音のうち上の2つ  

43小節目 5つの音のうち上の1つ  

44小節目 6つの音のうち上の2つ  

45小節目 4つの音のうち上の1つ  

46小節目 6つの音のうち上の3つ  

47小節目 4つの音のうち上の1つ になります。

52-54小節間、内声で動いている音は必ず耳に達するように弾きます。

56小節目、1拍目表拍の和音は、GBDGと全て右手で取ると楽です。

執筆者: 大井 和郎