3. ガヴォット
ガヴォットとはフランスの2拍子系の舞曲です。この曲集の2曲目とは対称的に、この楽章は淡々と、ルバートをかけずに進みます。そのストレートなテンポの中でダイナミックスや音質の変化を付けるようにします。楽譜を見ると、書き方がインストルメンタルであることが解ります。小編成の木管や弦のグループがあり、またオーケストラのtuttiの部分も見られます。
この曲のヒントとしては、それら編成の異なったアンサンブルによる、音質の変化やダイナミクスの変化をセクション毎に付けることであると思います。例えば1-4小節間、小編成のアンサンブルですが、4小節目2拍目より9小節目1拍目まで、フルオーケストラと考えます。これらセクションの違いはまず音量により、ハッキリと区別を付けなければなりませんが、この2つのセクションがクリアーに区別できなくなってしまう要因としては、不必要なダイナミックの変化によることがしばしばあります。
例えば、4小節目2拍目より9小節目1拍目まではフルオーケストラと考えますが、このセクションでは6小節目の1拍目の和音がゴールになります。ここに向かってクレシェンドしていますね。ところがここを過ぎれば徐々に音量を落としたくなるような和声とメロディーの進行になりますね。
そこで気をつけなければならないことは、例えば8小節目でV7からI に解決しますので、音量を落としすぎてしまう事にあります。tuttiの中ではpになりますが、pにしすぎると1-4小節間と変わらなくなってしまい、コントラストが失われます。あくまでtuttiの中でのpと考え、あまり音量を落としすぎないように注意します。
ここから先、小編成のアンサンブルに対して、フルオーケストラの対比が続きます。フルオーケストラの部分を書いておきます。
1 4小節目2拍目より9小節目1拍目まで
2 19小節目2拍目より24小節目1拍目まで
3 28小節目2拍目より32小節目1拍目まで
4 36小節目2拍目より41小節目1拍目まで
さて、BセクションのMusetteの部分ですが、ここに再びffが出てきます。しかしながら筆者は個人的に、この部分はオーケストラのtuttiの部分とは考えません。小編成のアンサンブルの中でのffと考えますのでそこまで大きくはしません。ご参考まで。