グリーグ :ホルベルク組曲(ホルベアの時代より) サラバンド Op.40-2

Grieg, Edvard Hagerup:Suite "Fra Holbergs Tid" "Sarabande" Op.40-2

作品概要

楽曲ID:20989
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展2 発展3 発展4 発展5 展開1

楽譜情報:2件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (819文字)

更新日:2018年3月12日
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2. サラバンド  

組曲というとバロックを連想してしまい、その時代に相応しい演奏方法を考えてしまいがちですが、このサラバンドはロマン派として考え、ルバートをかけ、たっぷりと歌うことが演奏のヒントになります。3声、または4声で、ポリフォニーの秩序は規律正しく守られていますが、ソプラノのラインを歌の部分と考えて下さってよいと思います。もちろん、アルトやテノールのラインも考えようによっては2重唱とも考えられますが、それは奏者に判断を委ねてよいと思います。  

また、繰り返し(リピート)もありますので、1回目はソプラノ、2回目はテノールといった具合に、聴かせるラインを異ならせても良いと思います。時に、2重唱の部分も見られます。9小節目から16小節目までをご覧下さい。9-12小節間はソプラノが歌い、13-14小節間はアルトが歌い、2つが合わさる2重唱の部分が15-16小節間となります。明白ですね。  

4声体の進行は常に最も重要な音を把握しながら進んで下さい。20小節目辺り、低音の位置で、密集配分の和音が並びます。トップの音を出すと良いでしょう。25-28小節間、この曲のピークポイントに達します。しかしながら音のつかみの問題が出てきます。以下、ご参考まで。  

26小節目、アルト、裏拍の16分音符 H だけは左手でとります。右手では10度が届かない人が多いからです。  

27小節目、3拍目までペダルを踏み続けることを前提にして、1拍目表拍の和音で、上から3つの音、G D H は右手で取ります。3拍目でペダルを変え、上3つの音、A C Fis と 裏拍のE Gは右手で取ります。  

28小節目、1拍目、バスのDのオクターブ以外の音は全て右手で取ります。2拍目、ヘ音記号に書かれてある、16分音符3つと8分音符2つ、そして3拍目の4分音符2つは、左手で取ります。  

32小節目、1-2拍目、バスの完全5度のG D以外は全て右手で取ります。

執筆者: 大井 和郎