クレメンティ :2つのソナタ 第1番 Op.24-1 (Op.21) ヘ長調

Clementi, Muzio:Two sonatas No. 1 F-Dur Op.24-1 (Op.21)

作品概要

出版年:1788年 
初出版社:Storace
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:14分30秒

解説 (1)

総説 : 林川 崇 (1025文字)

更新日:2014年1月20日
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●成立背景

2つのソナタ作品24は、いずれも、バーチャル&アンドリュースBirchall & Andrews社から刊行されていたシリーズ「ストラーチェのオリジナル・ハープシコード曲コレクション Storace’s collection of original harpsichord music」の中で、第1番が1788年に、第2番が翌1789年に初めて出版された。この曲集は、イタリア系のイギリス人作曲家スティーヴン・ストラーチェ(Stephen Storace 1762~1796)の編纂により、ハイドンやモーツァルトを含む当時の多くの作曲家による鍵盤独奏曲や、鍵盤楽器を含む室内楽を順次刊行していったもので(恐らくここでは「ハープシコード」は鍵盤楽器の総称として使われた)、当初2曲は別の巻で刊行され、その時には作品番号は付されなかったが、1790年頃に初めて2曲のセットで再版された際に作品24の番号が付けられた。なお、ストラーチェの妹ナンシー(Nancy Storace 1765~1817)は、モーツァルトが高く評価したソプラノ歌手であり、オペラ「フィガロの結婚」(1786)の初演でスザンナを歌っている。

作曲年代については、第2番については、後述するエピソードにより1781年とされているが、第1番については、それとほぼ同時期の1781年頃に作られた説と、出版の1788年頃に作られた説とがある。

・第1番 ヘ長調

●総説

第1番はこの時期の他のクレメンティ作品と比べて、音楽的な特色は強くないものの、速いパッセージやオクターヴ、手の交差や、片手でトリルと旋律を同時に弾く(但し、厳密に音符で書かれている)など、ヴィルトゥオーゾ的な演奏技巧の面でとりわけ凝った作りになっている。また、第1楽章で、提示部と再現部、両方の終わりに、カデンツァの挿入を喚起する四六の和音のフェルマータが置かれている点は非常に興味深い。

若い頃のクレメンティは、しばしばソナタの終楽章に流行の旋律による変奏曲を置いたが(ベートーヴェンのピアノ三重奏曲作品11「街の歌」等にも同様の例がある)、このソナタの第3楽章は、フランスの作曲家ニコラ・ドゥゼードNicolas Dezède, (ca 1740~1792) のオペラ「ジュリ Julie」(1772)の第2幕で歌われ、モーツァルトも変奏曲の主題に使った「リゾンは眠ったLison dormant」による変奏曲である。

執筆者: 林川 崇

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その他特記事項
ストレイスのオリジナルのハープシコード作品集で登場。