高橋 由紀 :レインドロップス
Takahashi, Yuki:Raindrops
演奏のヒント : 大井 和郎 (680文字)
この曲はとにかくデリケートに軽く弾くことが重要です。スタッカート、レガートなどのアーティキュレーションはハッキリと譜面に書かれていますので、それらを厳守し、何も書いていない音に関してはその音価分正確に延ばすように考えます。例えば1小節目の左手、1拍目と3拍目はスタッカート、4拍目は何も書いていませんのでこれは4分音符分伸ばし5拍目の休符も厳守します。この曲中に書かれているアーティキュレーションは注意深く見て下さい。一番最後の小節などのスタッカートやレガートも書いてあるとおりに弾きます。 音楽的な側面に関して、この曲は2つの部分に分けることができます。1-8小節間が前半、9-16小節間が後半です。この2つの部分はとても対照的です。前半はスタッカートが多く、飛び跳ねるような軽く、上品な描写です。前半には2つの音がスラーで書かれてている素材が多くあります。1小節目、4-5拍間、2小節目、1-2、4-5拍間、などです。これらのペアの音を弾くとき、必ず、後ろの音は前の音よりも小さく弾いて、短く、消えるように指を上げます。 反して後半はたっぷりとロマンティックに歌う部分です。筆者の独断になりますが、筆者であれば後半はペダルを使います。その方が音楽が横に流れてくれます。しかしながら、右手の旋律には多くの音階が(2度進行)書かれてあり、あまりペダルを踏みすぎてしまうと濁りが生じます。この辺りのさじ加減は非常に微妙ですので、担当の先生と相談の上、ペダルの量を決定して下さい。 後半最後の2小節は、前半の世界に一瞬戻りますので、ここはペダルは使いません。
レインドロップス
検索