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ハチャトゥリアン :仮面舞踏会より「ワルツ」

Khachaturian, Aram Il'ich:Waltz from Masquerade

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:トランスクリプション
総演奏時間:4分30秒

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1296文字)

更新日:2018年3月12日
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色々なヴァージョンの楽譜がありますが、これはHarold Sheldon編集のもっとも難しいヴァージョンです。テクニック的にも困難な箇所が多くあります。オーケストラの曲ではありますが、ピアノで弾くからにはピアノの特性を生かし、ピアノ曲として弾きます。それには、終始メトロノームに合わせたような演奏を避け、オーケストラよりも自由に演奏することが望ましいでしょう。  この曲を演奏するにあたり、音楽的側面で大切なことは、ダイレクションです。ダイレクションとは「方向性」の話で、各フレーズでどの音に向かって行くのか という話です。方向性がない演奏は、ただただ平坦になってしまいます。方向性を決める前に、大きく見た場合の分析が必要です。分岐点を確認しましょう。 1-68小節目までが1つ。これをAとします。 69-108小節目までが1つ。これをBとします。 109-136小節目までが1つ。これをCとします。 137-176小節目までが1つで。これをDとします。 これ以降は繰り返しになりますので省略します。  まずAから見てみましょう。主題は12小節目から始まりますが、次第にテンションを高め、21小節目に達してください。21-27小節目までがもっともテンションが上がる部分です。この21-27小節目の中で、さらに細かく分析をすると、2分音符にダイレクションを定めたいので、2分音符に向かって進みます。2分音符のあとは必ず衰退しますので、そのあとの4分音符には力を入れてはいけません。2分音符も2種類あり、EとFisがあります。Fisのほうが、Eよりも若干大きくなるように弾きます。この部分が終わったら40小節目まで少しづつテンションを下げていきます。これがA-1となります。A-2は41小節目から始まりますが、今度はバスにオクターブが加わりますね(49小節目以降)。A-1よりもダイナミックを上げて下さい。基本的にA-1とA-2は同じなので、A-2もA-1と同じようなダイレクションで進んでください。  Bは85-87小節目に向かうようにします。ですから69-76小節よりも、77-84までの方が音量が大きくなって85に自然に入るように進んでいきます。これがB-1とすると、B-2は89小節目から始まり、105に進んでいきます。進み方はB-1と同じですが、B-2は多くの音にオクターブが加わっていますので当然ですが、B-2のほうがB-1よりもダイナミックは大きく弾きます。  Cは、Aと同じなので略します。  Dは、160小節目に向かいます。これをD-1。D-2は161小節目から始まり、175小節目に向かいます。これもD-1とD-2では、D-2にオクターブが加わっていますので、AやBと同じようにD-2のダイナミックをより大きくします。  このように分析することにより、演奏はとても楽になり、わかりやすくなすはずです。個人的な感想になりますが、この曲でもっとも困難な箇所はこのDセクションではないかと思います。4度や6度などトリッキーなパッセージが出てきますので入念な部分練習が必要になります。

執筆者: 大井 和郎
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