絶大なる美しさを持つ曲ですが、音楽的に難しい曲です。1-2小節目の伴奏をごらんください。2-4拍目に和音が3つきていますね。次に、32-34小節目をごらんください。1-2小節目の左手の3つの和音は4分音符となり右手に来ている事がわかります。つまり、1-2小節目の和音のtopの音である、F G B は内声と考えます。レガートで綺麗につないでください。
優雅なメロディーがオクターブで2小節目4拍目より始まります。オクターブのメロディーは、この曲に限らずどの曲でも硬く弾いてしまいがちです。耳障りな音にならないように十分に気をつけます。8小節目、左手の伴奏の形が変わりますね。精神的に少しだけ落ち着く様子を表しています。9小節目、9の和音(C E G B Des)のEと、メロディーラインのEsがクラッシュしますね。切実さを表す和音です。十分に表現してください。10小節目も音量を下げずに、11小節目に入ります。
11小節目は3小節目と同じメロディーであることがわかりますが、11小節目のほうが遥かに深刻で悲痛です。左手の旋律を太い音で十分に聴かせてください。15小節目、再びオクターブのメロディーとなり、安心感が戻ってきます。
Bセクションは20小節目からAs-durで始まります。過去の楽しい時間が脳裏に蘇るようなイメージです。メロディーラインは21小節目の4拍目からで、espressと書いてあるBから始まります。伴奏の音と混同しないように。
27小節目、メロディーラインは右手ですが、次の小節(28小節目)で全音符になりますね。メロディーは27小節目から始まりますが、28小節目に入ってくる8分音符はレゾネンスと考えます(レゾネンス:余韻)。決して大きく弾かないで、27小節目のメロディーとはっきり区別をつけてください。29-30小節目も同様です。
33小節目、再びAセクションに戻りますが、右手のメロディーは、40小節目3拍目の裏拍まで他の声部と一緒に弾かなければなりません。メロディーだけを際立たせ、他の声部はできる限りppで弾いてください。
42小節目、この曲のクライマックスとなりますが、ここから47小節目までは、1小節につきペダルを1回、つまり1小節間踏みっぱなしで良いと思います。それほど1拍目のバスの音を残すことは重要です。
51-52小節目も1小節間ペダルを踏みっぱなしにして良いでしょう。