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ブルクミュラー(ブルグミュラー) : マイアベーアの歌劇《プロエルメルのパルドン祭》によるサロン用大ワルツ
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : Grande valse de salon sur “Le pardon de Ploërmel” de Meyerbeer
作品概要
出版年:1859年
献呈先:マリー・プレイエル
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:4分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: マイアベーア 《歌劇「ディノラ(プロエルメルの許し)」》
解説 (1)
解説 : 林川 崇
(889 文字)
更新日:2024年10月6日
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解説 : 林川 崇 (889 文字)
マイアベーアのオペラ「プロエルメルのパルドン祭」(ヒロインの名を取って「ディノラ」と題されることが多いが、これはフランス以外の国で上演された時のタイトル)は、1859年4月4日にオペラ=コミック座で初演され圧倒的な成功を収めた。このオペラの主題によるブルグミュラーのワルツは、当代随一のピアノの名手の一人と謳われたマリー・プレイエルに献呈されており、原作の初演と同年の1859年に早速出版されている。
初版の表紙にはディノラに扮した原曲の初演時の歌手マリー・カベル(1827~1885)の肖像が描かれている。カベルは、このディノラの他に、オーベール(ブルグミュラーから「12の練習曲」Op.105を献呈された)の「マノン・レスコー」の初演でマノンを、トマの「ミニョン」の初演(この時ミニョンを歌ったのは後にビゼーの「カルメン」の初演でカルメンを歌うセレスティーヌ・ガリ=マリエ)でフィリーヌを歌っており、フィリーヌの有名なアリア「私はティターニア」はカベルからのリクエストで作曲されたと、当時のオペラ=コミック座の支配人が後に証言している。
ブルグミュラーによるワルツは、オペラの第3幕で狩人が歌う「狩の歌」や第1幕でディノラの歌う「子守歌」等を用いた序奏に始まり、主部に入ると、ディノラの飼っている山羊を表すテーマ(原曲のオーケストレーションがパガニーニの「ラ・カンパネラ」に酷似している)、第3幕でディノラの恋人オエルの歌う「ロマンス」、フィナーレで歌われる「巡礼の合唱」(マイアベーアの葬儀でも演奏されたという)等の旋律がワルツのリズムに乗って、そして中間部には、このオペラの中で唯一現在でも歌われる第2幕のディノラのアリア「影の歌」が登場。最後はテンポを上げ「巡礼の合唱」のモティーフと序曲の終結部によるコーダで締めくくられる。
マイアベーア:歌劇「プロエルメルのパルドン祭」より
・狩の歌
・子守歌
・山羊のテーマ
・オエルのロマンス
・巡礼の合唱
・影の歌
・序曲終結部
ブルグミュラー:「プロエルメルのパルドン祭」によるサロン用大ワルツより
・冒頭
・ワルツ主部
・終結部