バッハ, ヴィルヘルム・フリーデマン :春 イ長調

Bach, Wilhelm Friedemann:Fruhling A-Dur

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
原曲・関連曲: 曲集・オムニバスプレ・インベンション
ピティナ・ステップレベル:応用1,応用2,応用3,応用4,応用5

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (948文字)

更新日:2018年3月12日
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この曲を演奏するにあたっての注意点は、 1 ダイナミックの変化をはっきりつける 2 アーティキュレーションをはっきりつける 3 各セクションの表情を変える ことが基本となります。  曲は16小節ずつ3部に分かれます。ABAとします。Aは8小節ずつ2つに分かれます。冒頭8小節は既にmfとpに分けられていますので、誰が聴いても分かるようにハッキリと変化を付けます。この曲を仕上げるもう一つのコツとしては、左右別々に弾いてみて、右手、左手、片方だけを聴いても音楽になるように仕上げます。例えば1-4小節目の左手は、2小節目のEに向かっていき、4小節目でオクターブ下のEに行きますね。8分音符はスタッカートで弾くと生き生きした感じがでます。  左手だけを弾くと、4小節目のEは弱くしたいところなのですが、3小節目にはクレシェンドマーキングが書いてありますね。これは恐らく後から誰か別の人が書いたものかもしれないのですが、向かう方向が4小節目の右手Cisであるのであれば、左右の両方の旋律は3小節目からクレシェンドをかけて良いと思います。  あるいは、左手に従って、2小節目の右手を、1小節目より徐々にクレシェンドしていくという考え方もできますね。そして3-4小節間はそこまで強くは弾かないという演奏もできます。  リピートがありますので、1回目と2回目は色々ダイナミックや方向性を異ならせても面白いとも思います。この辺りのダイナミックのもって行き方は人それぞれですので、必ずしも楽譜に忠実になる必要はないと筆者は思います。  8-16小節間を見てみると、シークエンスが2小節単位でありますね。筆者も12小節目からは15小節目のAに向かって最も大きくなっていく部分だと思います。9-10、11-12のシークエンスはダイナミックの違いを付けます。恐らく11-12のほうが9-10より大きいと思います。  Bセクションも2つに分かれ、17-24、25-32、となります。17からはこれまでとはがらりとムードが変わりますね。25小節目からはシークエンスが続きます。そして32小節目のカデンツに達することになりますが、決してこの32小節目の和音に飛び込まないように。テンポを少し引っ張ってたどり着くようにします。

執筆者: 大井 和郎
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