close
ホーム > スカルラッティ, ドメニコ > ソナタ 変ロ長調

スカルラッティ, ドメニコ : ソナタ 変ロ長調 K.16 L.397

Scarlatti, Domenico : Sonata B-Dur K.16 L.397

作品概要

楽曲ID: 1651
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (2)

執筆者 : 丸山 瑶子 (885 文字)

更新日:2010年1月1日
[開く]

ソナタ K1. - K.30について

スカルラッティの鍵盤のためのソナタのうち、概ね推定される作曲年代に基づいて番号付けされたカークパトリック番号でK. 1から30まではEssercizi per Gravicembaloとして出版され、騎士階級を下賜された返礼として、ポルトガル王ジョアン5世に献呈された。(なおこの曲集は一般的に《チェンバロのための練習曲集》と訳され、またスカルラッティの鍵盤楽器のための作品は主にチェンバロ用と推定されているが、研究の現状では、チェンバロ以外の鍵盤楽器が完全に想定外であるかははっきりしていない。)これは生前に唯一、作曲家自身が出版した曲集で、その序文は作曲家自身による真正な文書資料としての価値を持つ。

序文では、曲集が演奏技法の修練を目的としていることが示唆され、彼が音楽教師として仕えたマリア・バルバラの日々の練習用という実用的な目的で書かれたと推測できる。作曲年代に関しては、Esserciziはかなり前に書かれたソナタを推敲したものとして、多くの研究者が早期の作曲年代を主張しているが、結論は未だに出ていない。

全30曲の配列は発展的学習を可能とするもので、後の作品になるほど長く、難しくなるよう並べられている。形式は2部形式を基本とする。また作品の冒頭が両手の短い模倣となるのはスカルラッティのソナタに典型的で、多くの場合、模倣となるのは作品の残りの部分の主要素材と見たところは関連が薄いと思われる音形である。

なお序文には曲集全体の音楽的内容に触れた言葉もあるが、その解釈については、序文が謙遜や建前の入りやすい文章であることも手伝って、繰り返し議論されている。

K. 16 Presto

主に4分音符を基調とした低声に支えられて上声が主旋律を奏する。主和音と属和音の交替とカデンツの繰返しで転調を確定する22~34小節は、平行調への転調を挟んで再び現れて属調を再確認する。後半は前半の単純な繰返しではなく、例えば71小節や82小節以降は前半とは異なる新しいリズムパターンの低声に基づくゼクエンツとなるなど、変化がつけられている。

執筆者: 丸山 瑶子

演奏のヒント : 大井 和郎 (684 文字)

更新日:2025年12月14日
[開く]

スカルラッティのソナタを演奏するにあたっては、多くの異なった考え方があると思います。ハープシコードのように時間を自由に作る演奏もあれば、ピアノの特性を活かす演奏もあります。しかしこのK16に関しては、タイミングの問題は厳格に守られるべきであり、2拍を感じながら演奏して欲しいと思っています。何故なら、このソナタを、即興的に、時間を自由に取って演奏してしまうと、支離滅裂な音楽になりかねないからです。聴いている方は、これが果たして何拍子の曲かも判らなくなる恐れがあります。

故に、拍はきちんと数え、テンポは正確に維持し、余計な場所で止まるような事がないようにします。例えば13小節目は確かにカデンツではありますが、多くの奏者はここで時間を取ります。このような特別なカ所を除いては、基本的にテンポは変えずに進んで下さい。

いい加減になりがちなリズムが冒頭2小節間です。ここもトリルに時間を取り過ぎたりしないで、きちんと数えます。35小節間、決してアチェルランドをかけないこと。焦って聞こえますし圧迫されます。7小節目右手のリズムは正確に弾いて下さい。逆に、35小節目のように8分音符や16分音符が無い場所はついつい速くなりがちです。気をつけて下さい。

4347小節間のような場所も、拍を刻む音が殆どありません。ここも安定したテンポが欲しい場所です。

曲全体で、常に拍を感じて(意識して)弾いて下さい。

執筆者: 大井 和郎
現在視聴できる動画はありません。  

参考動画&オーディション入選(1件)

鯛中卓也さんのお勧め, ロス, スコット

楽譜