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ラヴィーナ :かわいい練習曲集―「心地よい響きのエチュード集」への導入のための Op.60

Ravina, Jean Henri:Etudes mignonnes pour servir d'introduction aux Etudes harmonieuses Op.60

作品概要

初出版社:Heugel
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲

解説 (1)

総説 : 上田 泰史  (1110文字)

更新日:2018年3月12日
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初版 : Paris, Heugel et Cie, 1865 献呈 : A Mesdemoiselles Blanche MARGUERITTE    この練習曲集は、副題にもあるように本曲集の後半に収録した『心地よい響きのエチュード集』に取り組む前の予備的なエチュードとして書かれた。  エチュードというとチェルニーの「30番」のようにメカニックな指の動きを重視するものを思い浮かべるが、フランスでは19世紀の半ばから、様々な曲の様式やジャンルを学ぶための旋律的な練習曲も書かれていた。ブルクミュラーのエチュード集などもこの時代の作品である。  当時一流のピアニスト兼作曲家だったラヴィーナは様々な表現の学習に役立つように、細かいニュアンスも欠かさずに書き込みながらこのエチュード集を書いる。    ◇第6番ホ長調 アンダンテ・コン・モート  歌唱的な旋律の小品。フランス語では器楽での旋律のことを「歌(chant)」と言うが、この曲ではまさに「ピアノで歌う」ことがテーマとなっている。スラーで示されたフレーズ、装飾音、強弱をよく観察しながら旋律の細かいニュアンスを表現することが求められている。  ◇第7番ニ長調 アレグロ・マ・トランクィッロ  この曲は軽やかで舞踏的な性格を特徴とする。左手の跳躍、同鍵上での指換えが技術的な課題だ。冒頭の主題が回帰するときには必ずリタルダンドが記されている。これは楽節の構造を聴き手にはっきりと伝えるための基本的な表現技法なので、フレーズの区切れに注意しながら演奏することが大切だ。また、第29、31、33小節では右手と左手の音程が不協和音を作っている。クレッシェンドが置かれているので弱く弾き始めるが、強い緊張感を持つ必要がある。  ◇第11番ト短調 アレグロ・アジタート  3曲目は器楽的なジャンルの小曲で、pからffまで強弱に富むドラマチックな作品。冒頭の主要モチーフはベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》作品31-2(「テンペスト」)のフィナーレを思い出させる。1小節目の第1~2拍目にある右手の小さなデクレッシェンドは、非和声音の緊張が和声音で解放される動きを表現するものなので、同様の音型にはすべてこのニュアンスを適用することができる。41小節目の3拍目裏から主題が回帰するので、その直前の「ポーコ・リタルダンド」に注意して主題が再現したことが聴き手に分かるように工夫する。 ※この解説は2015年に出版されたアンリ・ラヴィーナ『ラヴィーナ・ピアノ曲集』(カワイ出版, 上田泰史校訂)の解説に基づいています。 楽譜情報 カワイ出版ONLINE『ラヴィーナ・ピアノ曲集』

執筆者: 上田 泰史 

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アレグロ アジタート Op.60-11

総演奏時間:1分20秒 

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