Dreyschock, Alexander:Fantaisie f-moll Op.31

作品概要

初出版社:Schott
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:幻想曲
総演奏時間:5分50秒

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1120文字)

更新日:2010年1月1日
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第1楽章:Andante 2/4拍子

展開部のないソナタ形式(それぞれの部分が展開部を必要としないぐらいドラマティック)

■序奏(ヘ短調):悲愴だが劇的な開始を告げる。

■第1主題(ヘ短調):行進曲風の荘重なメロディーが印象的

■第2主題(ハ短調):ショパンの『革命』の左手のパッセージが何と右手に登場し、圧倒されるテクニカルワークを展開する。

■第1主題の再現(へ短調):行進曲風のメロディが、三連符の伴奏に支えられながら歌われる。

■第2主題の再現(ヘ短調):さらにヒートアップした『革命』のパッセージが縦横無尽に活躍する。

■コーダ(ヘ短調):第2主題がトリルとともに頂点に上り詰める。最後は二重オクターブの嵐と『革命』が打ち鳴らされて締めくくる。

第2楽章:Veloce 6/8拍子

■主部(変二長調):第1楽章とは打って変わって平和で穏やかな楽章。 さわやかなそよ風のようなテーマが軽やかに登場。

■中間部(変ホ短調):哀愁を帯びたメロディーが印象的。

■主部の再現(変二長調):主部同様のメロディーが再び歌われる。

■トリオ(変ロ短調):優雅なオクターブが戯れる。

■主部の再現(変二長調)

■第2トリオ(変ロ短調):トリオ同様オクターブ中心で踊られる。

■主部・中間部・主部が繰り返され終わる。

第3楽章:Allegro spiritoso

展開部のないソナタ形式(それぞれの部分が展開部を必要としないぐらいドラマティック)

悲しみと激情の疾走。

第1主題(ヘ短調):疾走する左手の上に、悲しみが歌われる。しかし感傷に浸るまもなく、次々と襲い掛かる心の葛藤。オクターブの七変化ともいうべき、さまざまな展開が施される。

第2主題(変イ長調):唯一希望の光が差し込んでくる。主題の確保は、オクターブで朗々と奏でられる。 後半では新しい精神に溢れた第3主題が華やかに打ち上げられる。

第1主題の再現(変ロ短調):再び疾走する悲しみと激情。さらにオクターブやテクニカルな展開になっている。

第2主題の再現(変イ長調):雪崩れ込んできた第1主題に牽引された第2主題は、さきほどとは打って変わって、パワーアップを図る。そこでは希望の光は勝者のファンファーレに昇格し、高らかに歌い上げられる。

コーダ(ヘ短調):すべてオクターブで彩られる。二重オクターブ、分散オクターブ、リスト・オクターブ。最後は激情の嵐と大伽藍の鐘が打ち鳴らされ見事に終結する。

リストのライヴァル、ドライショックにふさわしい技巧的であるが精神的に極めて高い内容を持った曲。ロマン派の大ピアニスト、ヴォルフ、ヘンゼルト、リスト、ローゼンハイム、デーラー、ショパン、タールベルクらと戦うための武器倉庫となった曲でもある。

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