岩間 稔 :かっこう(ドイツ民謡)
Iwama, Minoru:
解説文 : 熊本 陵平 (495文字)
三部形式 主題提示a[1から4小節]+展開b[5から8小節]+終結c[9から12小節] である。
主題は、属音cから3度下へ跳躍してa音に至る音形を重なり合う形で模倣されて開始される。この3度下へ跳躍する音形は鳥のカッコウの鳴き声であるから、ここにそれらしいアーティキュレーションを加えて表現できると良いだろう。
展開bのソソラやララシと同じ音の反復で開始されるが、これは主題において左右同じ音が重なるようにして始まる形をディフォルメしている。右声部ドラ、左声部ドラが重なりあうことで、ドドラと聞こえることがこの楽節の中ではモティーフとして表現されていることが興味深い。とすれば、1から2小節において、左手の開始音ドは拍頭の旋律と同じようにごく軽めにアクセントをつけるつもりで表現すると、この中間楽節との整合性がとれると考える。加えて9から10小節の左手ラも伴奏ではなく同様に軽くニュアンスを加えると良いだろう。
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