ドビュッシー :燃える炭火に照らされた夕べ
Debussy, Claude Achille:Les soirs illuminés par l'ardeur du charbon
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
総説 : 中塚 友理奈 (352文字)
1917年作曲。タイトルは、ボードレールの詩「バルコニー」の一節に由来する。寒さの厳しいパリで暖を取るための炭の調達に苦労していたドビュッシーに、炭屋が便宜を図った。その際に炭屋が一曲要求したために作ったとされている、23小節の小品である。楽譜中に書かれている強弱記号は「弱」を表す記号(pp, mp, p)のみで、全体を通して静かである。基本的にレントではあるが、決して停滞するのではない。4分音符(8分音符2つ)と3連符の組み合わせや、同音反復などにより、畳みかけるような動きも見られる。また、ハーモニーの色合いの移り変わりも特徴である。さらにこの曲には、ボードレール「夕暮れの諧調」からインスピレーションを得た〈音と香りは夕暮れの大気の中を漂う〉、〈カノープ〉〈交代する三度〉の素材が使われている。
燃える炭火に照らされた夕べ
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