グルリット, コルネリウス :子どものためのアルバム 11. あこがれ Op.140
Gurlitt, Cornelius:Album für die Jugend Secnsucht
解説 : 熊本 陵平 (334文字)
主調はヘ長調、一部形式である。
A[a(1から8小節)+b(9から16小節)]
A[a(17から24小節)+b(25から32小節)]
コーダ(33から41小節)
17小節から32小節は強弱記号がピアノからフォルテへと変わる他は実質それまでの同一楽節の反復である。したがって、一つの大楽節が2回繰り返されていると捉え、コーダ付きの一部形式と考える。
主題はヘ長調の穏やかな楽節で、4小節の半終止と4小節の全終止によって構成されている。続く楽節bではゼクエンツによって2小節の小さなフレーズの反復を経てやがて属調ハ長調の大きなフレーズによって完結する。Ⅱ調の借用和音や準固有和音の属和音を使うことによって少し暗い表情を引き出し、これが作品タイトルを連想させるニュアンスとなっている。
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