■楽曲について
1.プロローグ Allegretto
これから始まる組曲の幕開けを象徴するような4小節のピアノの序奏は、少し「思わせぶりに」という作曲者竹内氏の言。1楽章「プロローグ」と4楽章「優しい花となって」は密接に結びついており、この序奏のリズムは、4楽章の最後に登場すると共に、1楽章では「優しい花となって」のメロディーが異なる和声のもとに登場する。
2.愛すべき独り言 Moderato-Andante
伸びやかで開放的なクラリネットのソロから始まる。Andanteからは、まさに「独り言」のような内省的なクラリネットのメロディーと、繰り返されるピアノのモチーフが懐古するようなセピア色の色彩感を作り上げる。
3.じっさい! Vivace
タイトルの「じっさい!」とは、「まったく!ほんとうに!」という意味であると注釈にある。変拍子。次々と変化する拍子によって、緊張感のあるアンサンブルが要求され、一曲を駆け抜ける。
4.優しい花となって Moderato
3の「じっさい!」からattaccaで曲が開始される。暖かで優しいメロディーが心に沁みる作品。