モンポウ :歌と踊り 第12番
Mompou, Federico:Canciones y danzas
執筆者 : 和田 真由子 (315文字)
作曲フランスの詩人レオン・ポール・ファングに献呈された。歌は以前にかかれていたもので、それに踊りが加えられ1962年に出版された。
『歌』は、嬰へ短調、4分の3拍子。モルト・カンタービレ。カタルーニャ民謡《アラゴンの貴婦人》の物悲しい旋律が用いられているが、近代的な和声づかい、転調によって神秘的な雰囲気がさらに加わっている。歌詞の内容は、美しい貴婦人への恋を歌ったものである。静かに歌われていく旋律ではあるが、その息づかいの中に秘めたる熱い想いを感じさせる。
『踊り』は4分の3拍子。《悪い知らせ》というカタルーニャ民謡がもとになっているとされている。旋律に不協和にぶつけられた音がひどく不安定で、不吉に響く。演奏所要時間は約4分。
歌と踊り 第12番(Mompou)