作品概要
解説 (2)
解説 : 大井 和郎
(591 文字)
更新日:2025年5月30日
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解説 : 大井 和郎 (591 文字)
調性が目まぐるしく変わるロンドです。故に、調性が変わり、ムードが変わったところで、色を変えていかなければならなく、これがこの曲を弾く大切な課題です。
多くの稽留音(サスペンション)も見られますので、曲全体のムードとしては、激しい曲では無く、どこかおしゃれで、楽天的なムードがあります。
曲はF-durから始まり、d-moll、B-dur、g-moll、Des-dur、A-dur、a-moll、そして、F-durに戻りますが、これほど多くの調に転調していますので、転調する度に、カラーを変えてください。全部を同じように弾かないことです。
アーティキュレーションに対する決まりは特にはなく、ペダルを使用してもしなくてもどちらでも構いませんが、筆者であれば、例えば、17〜20小節間など、左手のバスを残したいので、ペダルでスムーズに横に流すと思います。
左手は、このように、8分音符3つがアルペジオとして書かれてあるか、3小節目の様に、躍動的な和音であるか、ほぼどちらかです。和音の所は、切っても繋げても良いのですが、切ることで、横に流れる8分音符3つと、コントラストを付ける事ができ、曲に変化を付けることができます。
解説 : 丸山 瑶子
(640 文字)
更新日:2025年6月11日
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解説 : 丸山 瑶子 (640 文字)
3楽章構成のソナチネの終楽章に当たり、規模は70小節未満(反復記号による繰り返し
を含めても120小節未満)と小さい。楽章中、冒頭主題の旋律が何度も現れるが、ロンドと
いうよりロンド風といった方が良い。というのも、8小節の冒頭主題が完全かつ主調ヘ長
調で再現するのはコーダの直前の1回だけだからである。また、間に挟まれる楽想は、和
声的にしっかり閉じたペリオーデ構造を取るわけでもなく、調も素材も流動的に変わって
いくので、ロンドのエピソードとしてよりも移行部的な性格が強い。
冒頭主題が提示されたのち、主題旋律の冒頭が主調の平行調であるニ短調で始まる。旋
律はすぐに主題から離れ、主題由来の動機が使われながら転調、第17小節からシンコペー
ションで跳躍上行する新たな楽想がフォルテで始まる。しかし4小節後には変イ長調に転
調して別の楽想に移る。この楽想は跳躍も少なく強弱もピアニッシモが指示されており、
直前の楽想とは対照的。ただしこの楽想も短く終わり、変ニ音=嬰ハ音のエンハーモニッ
クを用いた転調によって楽章冒頭主題がイ長調で再現する。主題後楽節からイ短調に転じ
るとすぐに移行部に入り、強弱・音域ともに楽章全体の中では比較的大きく揺れ動いて、
ようやく完全な形で冒頭主題が再現する。
繰り返しの後のコーダの冒頭は、楽章冒頭主題の伴奏音形と主題3小節目の旋律から派
生した刺繍音形から成る。その後は2小節単位のパッセージ・ワークが連なり、最後は5小
節間、ヘ長調の主和音が強調されて楽章が閉じられる。
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