作・編曲者等不詳 :あひるのさんぽ(アメリカ民謡)
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演奏のヒント : 大井 和郎 (414文字)
この曲は2/2拍子を感じ、楽しく、愉快に、生き生きと弾くことが大切です。ピアノで演奏されない場合、どのような楽器が適しているのでしょうか?メロディー部分と伴奏部分では楽器が異なるかも知れませんね。そのような事も想像してみてください。
テンポは2拍子で感じておかしくないテンポに設定します。1~4小節間と5~8小節間は強弱を変えてください。フレーズのの終わりは必ずCの音が来ますので、これにはアクセントを付けないように注意します。1~2小節間と、5~6小節間のメロディー、G EC G ECは、Gを最も大きく出すようにして、Cを最も控えめにします。
3~4小節間と、7~8小節間は、2小節単位でフレーズを感じるようにしてください。
3小節目と7小節目ののDDDは、最初の2つのDをスタッカートで、9~11小節間の同じ音、Cもスタッカートで弾くと良いでしょう。
個人的になりますが、9~10小節間の7つのCは、筆者であれば、強弱を変えます。
解説文 : 熊本 陵平 (671文字)
構成は二部形式。
A[a(1から4小節)+a(5から8小節)]
B[b(9から12小節)](リピートあり)
大楽節Aでは全く同じ小楽節aの4小節を8小節にしてくり返している。大楽節Bは小楽節bの4小節を、リピート記号を使ってくり返している。どちらもリピート記号を使っているかいないかの違いであって、4小節の楽節がくり返されていることに変わりはない。
a とbではモティーフが二部構成になっており、a後半(3から4小節)はbにおいても共有される。このため、全く同一のモティーフに表現の違いをつけることは難しく、楽節前半における違いを表現することが肝要である。
特にb楽節の9から10小節のオクターブ下へ跳躍するモティーフはハイドンのソナタにおけるモティーフ(ソナタ第50番ニ長調 第一楽章第一主題)を想起させる。こうした、無関係ではあるが連想することができるモティーフの共有は、教育上本格的な古典派楽曲の導入への呼び水(紹介)となるので、関係ないからと排除せずに積極的にレッスンで使うべきだと個人的には考える。
この楽曲ではポリフォニーは見られず、完全に主旋律に対する伴奏という構造になっているため、多声的なニュアンスを伴奏部(左手)に求める必要はない。
一方で、主題前半において主和音Ⅰの空虚5度はその特徴的に力強い響きから、それがアヒルの鳴き声のようでもあり、行進する勇ましさのようにも感じられる。
この音程から得られるイメージは様々あると思われるが、そこは是非実際の弾き手(生徒さん)と共に標題に沿ってイメージを膨らませてもらえると良いだろう。
ヤマハ:あひるのさんぽ(NEWなかよしピアノ2) ハ長調
調:ハ長調 総演奏時間:0分25秒 ステップレベル:導入2
【2024ピティナコンペ課題曲】あひるのさんぽ(アメリカ民謡)
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