ビーチ :子供の謝肉祭 秘密 Op.25

Beach, Amy Marcy Cheney:Children's Carnival Secrets

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1264文字)

更新日:2018年11月20日
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アミー・ビーチのすてきな小品です。小さなお子様でもペダルが使えるようになれば弾ける作品です。

強弱に関して:

このビーチという人は、割と最近の作曲家で、その割には強弱記号に詳細な指示がありません。おそらくでありますが、pと書いてあったら、次のダイナミックが出てくるまでは、pの範囲内でのシェーピングや、ダイナミックの変化と考えて良いのではないかと思います。

たとえば冒頭1小節目pから始まりますが、16小節目まで特に異なった強弱記号が出てきません。従って、1-14(14にはdiminuendoがあります)まではpの範囲内での強弱の変化やシェーピングにしておきましょう。17小節目 dolce 、20小節目にcrescendo、そして初めて22小節目においてfマーキングが出てきますね。そして25小節目以降は、最後までppで演奏するように指示があります。

冒頭のpと、25小節目からのppの違いはソフトペダルを使うことで分けることが出来ます。25小節目以降最後までソフトペダルを踏み続けて下さい。

シェーピングに関して:

この曲の最も高い音はAになります。1-16小節間、最も高い位置にあるAは1-8、9-16、 のそれぞれ中間辺りに出てきます。そう考えますと。1小節目から徐々にテンションを上げ、Aに達したらテンションを下げ、9小節目から再び11-12小節間に向かってテンションを上げ、14-16でテンションを下げていくシェーピングで考えて良いと思います。ただし、彼女がクレシェンドマーキングとディミニュエンドマーキングを6-8小節間に書いてあることに注目します。この小節間、特に高い位置にある音はないのですが、和声に注目してみましょう。6小節目で初めて臨時記号が出てきて、一時的に平行調であるh-mollに転調しているかにきこえます。7小節目には借用和音も登場します。これら複雑な和声進行はテンションを高めて良いと思いますので、ただ単にピッチの高低だけでシェーピングを決めず、これらの特殊な和声進行も含んだ上で考えてみて下さい。

9-16小節間も同じ事が言えます。22-23小節間、フォルテで下行してくる音階は、必ず後ろの方に行くに従って若干の力を抜きます。つまり右手の音階である6つの音は、くれぐれも同じ 音量で弾かないようにしてください。23小節目も同じです。

ルバートに関して:

筆者がこの楽譜を見る限りでは、音は絶え間なく鳴り響き、途切れる瞬間がありません。それは 音楽が流れを止めずに進む事を意味すると考えます。つまりは、どこかで止まるようなモーショ ンやモーメントを作らず、どちらかというと、メトロノームに近い進み方ではないかと、基本的には思います。しかしながら、ある程度のルバートをかけなければならないとも考えています。たとえば、8小節目や16小節目は文章で言う句読点の部分です。少しテンポを緩めて良いと思います(くれぐれも止まってしまったり、急にテンポがぐっと落ちてしまったりしないように気をつけて下さい)。

執筆者: 大井 和郎
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