グレゴワール :ロシアの主題による幻想綺想曲 Op.91
Grégoir, Joseph:FANTAISIE-CAPRICE sur un Theme russe Op.91
解説 : 金澤 攝 (266文字)
ト長調で歌われる主題はロシア民謡「赤いサラファン」である。序奏に続いて主題と2つの変奏曲が華麗な展開を見せるコンサート・ピースで、名手グレゴアールのピア二ズムが偲ばれる。タールベルクが既に同じ主題による変奏曲(Op.17)を書いていて、恐らくはそれからインスパイアされたと思われるが、タールベルク作品よりも色彩感に富み、一層円熟した書法によっている。ドイツ(ホフマイスター)版に献呈文は無く、フランス(ウージェル)版はアントワーヌ・マルモンテルに献呈。ドイツ版の修正箇所をフランス版で確認できる形となっている。(2019.5.21)
ロシアの主題による幻想綺想曲