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作品概要
解説 (2)
解説 : 杉浦 菜々子
(341 文字)
更新日:2020年3月26日
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解説 : 杉浦 菜々子 (341 文字)
◾️楽曲について
大人になって巣立ちを迎えた若い鳥達を見守る母鳥の愛を描いた作品。2017 年10月11日、サントリーホール大ホールで福間洸太朗氏のリサイタル「鳳凰がみたもの」のアンコールで演奏され、大きな反響を呼んだ。楽譜の冒頭には「To My Sons」と書かれており、作曲者徳山氏が御子息に向けて書かれたことがわかる。構成は、4小節のピアノソロの前奏の後、「旅立つように」と書かれたAから、暖かなメロディーがクラリネットとピアノで交互に歌われる。AからCまでのこれまでを心の中で反芻するようなニュアンスのD「追憶」を経て、ついにEの「飛翔」で若い鳥達のメロディーは、大きく羽ばたく。編成は、ピアノソロ版、クラリネットとピアノ版、ヴァイオリンとピアノ版、チェロとピアノ版がある。
演奏のヒント : 杉浦 菜々子
(379 文字)
更新日:2020年3月26日
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演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (379 文字)
◾️演奏のヒント
クラリネットとピアノ版での演奏にあたり、作曲者の徳山氏より次のようなコメントをいただいた。
「役割としては基本的にクラリネットが子供、ピアノが母親です。前奏は巣立った後の母の嬉しいさびしい気持ちをこの前奏で雰囲気を作ります。こなれて、即興的に弾くことが可能です。12小節目から13小節目2拍目までは一息で。苦しそうなフレーズの方が、子が自力で飛ぶ時のもがきがあって迫ります。26辺りからは飛ぶ子鳥を気遣ってピアノの母鳥が伴走しますが、32小節では追いかけるのをやめて、子離れを自ら言い聞かせるピアノの大事なソロです。そこから追憶に繋がります。46小節ではついに立派の飛翔した子鳥を称え共に喜びますが、母の心には一抹の寂しくも明るい青空が見えます。」
クラリネットとピアノ版は、ヴァイオリンとピアノ版を基に作曲者徳山美奈子氏によって編曲された。