ヤマハ :新版 みんなのオルガン・ピアノの本 1 バレエ
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ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:導入1 導入2
演奏のヒント : 大井 和郎 (422文字)
リズム通り、きちんと全部の音が正しいタイミングで弾けるようになったら次のステージに移ります。順番に、少しずつ曲を作っていきましょう。
1 3拍子のこの曲の場合、1拍目に力が入るようにして、3拍目は1拍目に向かう予備の拍であるので、3拍目には力を入れません(5~6小節間は、ソロの部分ですのでここはそのような事はしません)。常に、強、弱、弱、 強、弱、弱 という流れにします。
2 バランスを取ります。左手が決して右手よりも大きくならないようにしましょう。特に、2,4,8小節目の完全5度は、上のGが1の指ですので、これが大きすぎないように気をつけます。
3 1~2小節間、3~4小節間、7~8小節間は、それぞれ、ドミナントとトニックで1小節ずつ構成されています。ドミナントの方を少し大きく弾き、トニックは控えめにします。
4 5~6小節間は、クレシェンドとディミヌエンドのような山を作って下さい、決してその6つの音が同じ音量にならないように注意します。
解説文 : 熊本 陵平 (810文字)
新版 みんなのオルガン・ピアノの本1(ヤマハ出版)より29曲目にあたるのが本作品である。この教本は段階を追って奏法上の狙いや難易度が異なってくるため、この楽曲を練習することでどのようなピアノ教育上の成果があるのかを考えること、そして、教本全体の中においてこの楽曲がどのようなポジションにあるのかを合わせて考えると、どのようなタイミングで生徒にこの楽曲を課題として良いか、そのような目安が計れやすい。
まず楽譜を俯瞰してみると、終止がC dur Ⅰ主和音であることから、24調で考えるならばC durであることが分かる。分かりきっていることだが、あえてこう書くには理由がある。それは、この楽曲をソロでそのまま弾くと、属音から開始されるために、時としてミクソリディア旋法のようにも聞こえてくるのである。冒頭1と3小節は和音第3音を欠いた状態で属和音から始まる不完全カデンツであるが、和音に明暗をもたらす第3音がないために調性が曖昧に感じられる。そこで、その調性感を補完するためもあって先生用の伴奏譜が楽譜下部に記されている。そして、その先生用伴奏譜の1と3小節はただのⅤ和音では属7和音にすることでより主調のイメージを強調している。したがって、調性感を持ってもらうためにも、この楽曲は指導者側が必ず先生用伴奏譜を弾くべきだと考える。
構成としては、1から4小節の不完全カデンツによる主題提示があった後、5小節からは終結となる。一部形式である。
先に触れたように、1、3小節などのドミナント和音の箇所は第3音を欠いた状態で和声感に乏しく、次にやってくるⅠ主和音で、いきなり音域が下がって左手はc音とg音とで完全5度音程の重音となるため音をぶつけがちとなる。指導上においては、ドミナントからトニックへ和声解決のメカニズムを教えるためにも、2、4小節(そして最後も)の主和音はぶつけず安定感のある響きを心がけることが肝要であろう。
【2024ピティナコンペ課題曲】バレエ
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