ボルトキエヴィチ : 7つの前奏曲 第6番 Op.40-6 嬰ヘ短調
Bortkiewicz, Sergei Eduardovich : 7 Preludes Andantino dolente fis-moll Op.40-6
作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:4分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(590 文字)
更新日:2023年1月4日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (590 文字)
このプレリュードも多くのテンポで弾かれ、また演奏法も実に様々ですが、注目して欲しいのは、複合拍子で書かれてあることがまず1つです。複合拍子と単純拍子との違いの1つとして、複合拍子の場合、流れを止めずに前に前に行くという性格があります。ですからあまり激しいルバートによって、音楽が止まってしまったり、拍を失ってしまうような演奏法は好ましくありません。
加えて注目して欲しいのは、右手の伴奏系です。裏拍に並んでいる、途切れることの無い和音は、流れを止めずに先に進むことを意味します。もちろん、強調するべきところはして、テヌートにするべきところはするのですが、音楽を止めることの無い範囲で演奏して下さい。
あと、注意することは、
1 シークエンスが多く出てくるので、そのダイナミックコントロールです。ダイナミックが平坦にならないように注意して下さい。
2 副旋律を大切に扱って下さい。例えば冒頭のアーフタクト、右手の内声は半音階進行で下行しています。そのような部分は聴衆の耳にきちんと届く演奏が望ましいです。左手も気を遣います。
例えば1小節目、3拍目で副旋律が出てきます。これは理解できると思いますが、1~2拍間の
左手も決して平坦にならないように注意して下さい。このプレリュードは、むしろ伴奏部分は右手の内声の和音であり、左手は多くの場合、旋律的な進行をしています。そちらにも注意してください。