作品概要
出版年:1987年
初出版社:Kjos
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:10分00秒
解説 (1)
解説 : 西原 昌樹
(1804 文字)
更新日:2021年10月19日
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解説 : 西原 昌樹 (1804 文字)
ロシェロールは1982年から2012年までの間にピアノソロ用に11点、4手連弾用に4点のクリスマス曲集を発表している。個々の小品を細かく数え上げると総計でソロ117曲、連弾30曲にもなる。伝統的なクリスマスキャロルから現代の歌謡曲までジャンルの幅は広い。原曲の持ち味を生かした素朴な編曲、オリジナリティを発揮した二次創作、あるいはそれらの折衷と、作曲手法も多岐にわたり、曲集毎に特色を打ち出している。例えば「きよしこの夜」だけでも8種類(ソロ7、連弾1)のアレンジがあるから、弾き比べのおもしろさもある。ホームパーティーから本格的なコンサートまで、シーンに応じて曲を選ぶのも楽しい。
ロシェロールの一連のクリスマス曲集から感じられるのは、アメリカ人にとってクリスマスがどれほど大切なものであるかということである。例えばクリスマスキャロルの小ぶりの編曲一つにも原語の歌詞の心を生き生きと通わせ、弾き手と聴き手を温かく包みこむ。そこに居合わせる人々の間に自然な共感が生まれる。この包容力こそがアメリカ文化の奥深さでもあるのだろう。和製のアレンジと比べたとき、そこに本質的な相違が生ずるのも無理からぬことである。日本の私たちにとって、これらの曲集は、クリスマス本来の良さをじっくりと楽しむための最良の手引きとなるものと言ってよい。
ロシェロールのクリスマス曲集の第一作は「クリスマス・アラウンド・ザ・ピアノ」(1982年)であった。この第一作は33曲もの多彩なアレンジを集成したアルバムで、現在まで増刷を重ねているロングセラーである。第一作の好評に続き1987年に発表されたピアノソロ用のクリスマス曲集の第二作が本作「クリスマスの喜び」である。力の入った第一作が盛り沢山で総花的な内容に傾いたのは当然であったといえるが、本作ではピアノの初級者に対象をしぼり、メジャーなキャロル13曲を取り上げた。最小限の音数を使いながら洗練された遊び心にあふれたアレンジが並ぶ。本作には「私の子供たち――ヴァレリー、ロラン、ダミアン、ジャスティンに」との献辞がある。夫のディディエ氏と三男一女のにぎやかな家庭で、ピアノを囲んだ団らんの場で生まれたアレンジである。「きよしこの夜」をはじめ、ロシェロールのクリスマス曲集の中では最も平易なアレンジが集められているが、その味わいは深い。ブルグミュラーのレベルで弾けるから、レッスンにもぜひ積極的に取り入れていただくとよい。
第1曲 Angels We Have Heard on High 荒野の果てに。With dignity 4/4 ヘ長調。
第2曲 Away In a Manger はるか彼方の飼い葉桶で。Gently 3/4 ト長調。
第3曲 Bring a Torch, Jeanette, Isabella たいまつ手に手に、ジャネット、イザベラ。Cheerily 6/8 ヘ長調。
第4曲 Deck the Halls ひいらぎかざろう。Peppy 4/4 ハ長調。
第5曲 The First Noel まきびとひつじを。Dance-like 3/4 ニ長調。
第6曲 Hark! The Herald Angels Sing 天には栄え。Sprightly 4/4 ト長調。
第7曲 It Came Upon the Midnight Clear 天なる神には。Brightly 3/4 変ロ長調。
第8曲 Joy to the World もろびとこぞりて。Happily 2/2 ニ長調。
第9曲 O Come, All Ye Faithful 神の御子は今宵しも。Proudly 4/4 ヘ長調。
第10曲 O Little Town of Bethlehem ああベツレヘムよ。In the classic style 4/4 変ホ長調。
第11曲 Silent Night きよしこの夜。Warmly 3/4 変ロ長調。
第12曲 We Three Kings 我らはきたりぬ。Stately 3/4 ホ短調。
第13曲 What Child Is This? 御使いうたいて。Flowing 3/4 ホ短調。
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Neil A. Kjos Music Company

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