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ラヴェル :高雅で感傷的なワルツ 中庸の速さで ホ短調

Ravel, Maurice:Valses nobles et sentimentales Modéré e-moll

作品概要

楽曲ID:51947
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ワルツ
総演奏時間:1分37秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 魚住 恵 (284文字)

更新日:2022年7月7日
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Modéré「抑え気味のテンポで」。A.1-16小節、B.17-56小節、Aʹ.57-72小節の3部形式。

 Aの基本の調性はホ短調で、軽快、かつ精密な印象を与える音型である。Bではスラーが多用され、またニ長調の響きで始まるため、より大きな動きやうねりを感じ、明るい音色を目指すと良いだろう。一方、33-35小節では右手が殆ど常に減5度及び増4度音程を含む和音を奏し続け、調が決定づけられないため、不安定で何かを探し続けるような表情を「expressif 表情豊かに」として示していると解釈できよう。この曲の終わりはト長調の調的感覚が明確である事を意識し、明るく終える。

執筆者: 魚住 恵

楽譜

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