タイトルの下に”Phrasé soutenu.-Recherche de la couleur”「フレージングの持続、色探し」とこの曲の課題が書かれています。この課題の通り、確かに一フレーズがとても長いです。最初の右手のフレーズは、4小節フレーズかと思いきや、タイで繋がれさらに2小節分引き伸ばされます。例えばフルートで演奏すると、吹き始めにたくさんの息を吸って、細く長い息を吐きながら、旋律を奏でていくでしょう。ピアノで演奏する場合も、こうした呼吸を意識することが大切です。もう1つの課題の「色探し」とは、移り変わる和声の色合いがどのような特徴か考えることを意味するでしょう。例えば、1小節目に代表される「ラ・ミ」の重音は完全5度(空虚5度)ですが、5小節目に代表される「ソ・レ♯」は増5度で完全5度よりも広がりのある響きです。こうした重音の広がり・狭まりや、光と影のように明るさの違いなど特徴をよく聴いてみましょう。またある重音から次の重音への動き方に着目すると、その動きの振り幅が大きく動いたり小さく動いたりと様々で、そこにも表情の違いを感じ取ることができます。