アプシル :リズムの表現 糸を紡ぐ女 Op.108-21

Absil, Jean:Du rythme à l'expression Fileuse Op.108-21

作品概要

楽曲ID:49722
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 杉浦 菜々子 (376文字)

更新日:2024年8月7日
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タイトルの下に”Legato et souplesse de la main droite.-La main gauche chante”「右手のレガートと柔軟性 -左手は歌う」とこの曲の課題が書かれています。この曲の冒頭を聴いて、シューベルトの歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」にそっくりだと思う人は多いと思います。糸を紡ぐ糸車の回転する音が終始奏でられ、そこに歌が入ります。このアプシルの「糸を紡ぐ女」では、右手で糸車の音、左手で歌が歌われます。この歌は、「ああ、退屈だ。退屈だ。」と言っているような、イ短調の5音を主としたシンプルなメロディで、2度繰り返され、あっさり終わります。グレートヒェンは、10節にも渡って恋人への苦悩や激情を歌いますが、アプシルの紡ぎ女は、仕事に退屈した一コマを切り取られたようなもので、日常の生活に密接な音楽だと思います。

執筆者: 杉浦 菜々子
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