タイトルの下に”Expression de la dissonance”「不協和音の表現」とこの曲の課題が書かれています。美しい不協和音の響きの中で、メロディの下行音形が悲しさを表現しているようです。8,9小節目のスフォルツァンドは、「嗚呼!」と強いため息をつくようです。きつい音にならず、気持ちを込めて演奏したいですね。左手は、終始同じで、「ソファミレ」の下行音型が繰り返されます。右手のフレーズのまとまりとは、ずれていますので、つられてどこかで強くなってしまうなどないようにしましょう。この繰り返し同じように続く下行音形の左手によっても、ため息、涙、俯き、などタイトル「悲しみ」から得られるイメージを考えてみてください。