池辺 晋一郎 : リズムの小箱-こどものためのピアノ曲集 第5曲 おどけたポルカ
Ikebe, Shin‐ichiro : Rhythm Cassette- The Piano Pieces for Children for small hands 5. *in preparation*
作品概要
解説 (1)
解説 : 熊本 陵平
(570 文字)
更新日:2025年3月4日
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解説 : 熊本 陵平 (570 文字)
三部形式である。
A[a(1から8小節)+a1(9から21小節)]
B[b(22から30小節)+b1(31から38小節)]
A1[a2(39から44小節)+コーダ(45から55小節)]
主調はハ長調。冒頭8小節はハ長調、次に同じ旋律だが同主短調(ハ短調)で反復され、半終止を迎える。中間楽節Bでは主調の平行調イ短調で展開される。23小節からイ短調の属和音によって旋律が開始される。左手は旋律的短音階における固有音第6音が半音上がった状態(fis音)ということも相まって明るく感じられるが、25小節で右手にc音が現れるとイ短調だとはっきり感じることができる。31小節からは左右逆で左手が旋律を受け持つ。
37小節はイ短調における属和音だが、38小節はイ短調にとってはドッペルドミナントで、ハ長調にとってはⅢ調属和音(Ⅲ調属和音は主和音Ⅰに進行することで偽終止進行となる。)で、離脱和音であり転入和音でもある。
39小節からの4小節はA楽節のaとa1をまとめたような感じで、2小節間でハ長調→ハ短調→ハ長調というふう目まぐるしく変化する。ここは調の変化というより、もはや明暗差を感じて表現したい。コーダは下行するゼクエンツであるが、アッチェレランドがかかっているため、細かい和声表現よりも反復される音形を感じてリズミカルに畳み掛けるように表現したい。
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