Con fuoco=火のように、とありfの表記がありますが、単に強い調子にならず、強い魂のこもった歌になるよう演奏することが大切です。心の内側から湧き上がってくる音になるよう、指先に集中力を感じはっきり発音します。そして、発音した後の伸びた音をよく聴き、エネルギーを次の音に伝えるようにしてフレーズを弾き切りましょう。8小節目までは左右で単旋律を奏でますが、9小節目からは2声の掛け合い、そしてユニゾンになります。ユニゾンでは、クレッシェンドを伴いながら一層のエネルギーの拡大が感じられます。外面的に音を大きくしていくという発想ではなく、演奏者の身体の内部から湧き出ていくことが大切だと思います。

最後の8小節は、più fとなり、アクセントの音を伴います。最後まで集中力を途切らせることなく、弾き切ってください。