カバレフスキー :35の子供のためのやさしい小品 はじめてのワルツ Op.89-5

Kabalevsky, Dimitri:35 Easy Pieces  First Waltz Op.89-5

作品概要

楽曲ID:47723
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ワルツ
総演奏時間:0分20秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 杉浦 菜々子 (530文字)

更新日:2024年9月12日
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左手でメロディが奏でられる、イ短調のワルツです。憂いを帯びた旋律が美しい1曲です。左手の4分音符にはテヌートが書かれています。指の腹を使い、腕の重みも用いながら柔らかい音で弾き、4分音符から次の4分音符へエネルギーを伝えるようにすると、大きなフレーズ感で演奏できると思います。4分音符で奏でられる冒頭からの4小節は、5小節目から8小節目までの付点2分音符でできた長い音の保たれるフレーズを経て、9小節目からのクライマックスのフレーズに至ります。クライマックスの頂点の2分音符のファの音は、固くない豊かな音質で、音の長さは、限界まで2分音符を伸ばして(できるだけ長く弾きたいという気持ちで)情熱を持って演奏したいところです。チェロの奏者がハイポジションの音を、ヴィブラートをかけて渾身の音を響かせるようなイメージでしょうか。ピアノだと簡単に弾けてしまいますが、チェロの奏者のように「大変な音を弾く」という心理で、容易に音を出さないことで大事な音が大事に聞こえてくると思います。

右手は、4分音符で刻まれる伴奏です。軽やかに弾きましょう。テヌートの書かれた7~8小節目と11~12小節目は、伴奏ではなく対旋律ですので、存在感のある音で左手のメロディと対話しましょう。

執筆者: 杉浦 菜々子
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楽譜