先に左手で弾かれるモチーフと同じことを演奏する右手で１曲が構成されています。後に続く右手の弾き方は、さまざまな可能性がありそうです。音量やニュアンスまでそっくりそのまま左手の弾き方の真似をして、寸分違わずに弾くようにすると、緊張感が生まれ、1曲弾き切った後には、にらめっこ遊びをして笑うのを我慢した後のような、解けた笑みがこぼれるでしょう。一方、左手とやり合うように右手を積極的、時に挑発的に弾いたり、それとは対照的に消極的にしょぼんと項垂れるように弾いたりすることもできるでしょう。演奏者がこれらの遊びを楽しみ、それぞれのモチーフに命が宿るように演奏されることが大切だと思います。