ラヴェル :ピアノ三重奏 第4楽章 M.67 イ長調
Ravel, Maurice:Piano trio Final. Animé A-Dur
解説 : 大井 駿 (322文字)
第3楽章からアタッカで演奏される第4楽章は、4分の5拍子と4分の7拍子が忙しなく入れ替わるように書かれています。
ラヴェル自身が「僕が小さい頃、お母さんはいつもバスクの歌を聴かせてくれた」と述べていますが、バスクの歌は5拍子と7拍子のものが多く、自分の小さい頃を思い出すかのような懐かしさが漂います。(譜例5 /第4楽章、練習番号14)
弦楽器のトリルに乗せられて、ピアノのグリッサンドや、立て続けに奏でられる和音が曲を盛り上げます。中間部では混沌とした曲調の中にファンファーレを思わせる動機が登場し、雲行きが怪しくなるものの、終わりへ向かうにつれ鮮やかさが増し、高揚感に満たされながら華々しく曲を閉じます。
(譜例5 / 第4楽章、練習番号14)
ピアノ三重奏 第4楽章
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