ベートーヴェン :ヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」 第4楽章 Op.24

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier und Violine Nr.5 "Frühling" Mov.4 Rondo: Allegro ma non troppo

作品概要

楽曲ID:44971
楽器編成:室内楽 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 丸山 瑶子 (433文字)

更新日:2023年12月19日
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優美な主題で始まる第1楽章と対を成すような朗らかな主題で展開されるロンド。旋律を担う順番が第1楽章とは逆でピアノ→ヴァイオリンとなっているのも、両端楽章を対として釣り合いを与えようという計らいか。ロンド主題の2分音符→刺繍音→下行音形という旋律線が第1楽章の冒頭主題とよく似ているのも注目される。

 ピアノとヴァイオリンの平等性に着目すると、旋律声部を担う順番はロンド主題でピアノが先行するのに対し、エピソードではヴァイオリンが先行する。中盤のニ短調のエピソードでは協奏曲などにも見られるような技巧的な三連符が連なる。また、ロンド主題がピアノによって示される時、楽章冒頭ではピアノのソロであるが、楽章内でピアノ声部に回帰するごとに次第にヴァイオリンの関与が増してくる。そして遂に最後にロンド主題全体が現れる時にはピアノの軽やかな分散和音を背景にヴァイオリンが主題旋律を変奏している。このように一連の主題回帰には、主題における二つの楽器の役割の変遷が見て取れるのである。

執筆者: 丸山 瑶子

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