ベートーヴェン :ヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」 第2楽章 Op.24

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier und Violine Nr.5 "Frühling" Mov.2 Adagio molto espressivo

作品概要

楽曲ID:44969
楽器編成:室内楽 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:6分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 丸山 瑶子 (437文字)

更新日:2023年12月19日
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敢えて特定の形式に当て嵌めるのは不適では、と思えるほど比較的自由な形式で書かれている。前半では楽章冒頭の主題がピアノとヴァイオリンそれぞれを旋律声部として合計4回現れるが、別の楽想を挟んだ後、ピアノによる3回目の主題提示からもとの旋律が変奏され、さらにヴァイオリンが主題を変奏する際には変ロ短調に転調して始まり、次第に主題から離れていく。異名同音を用いながら転調が続けられ、ようやく主調変ロ長調に戻ってくると、冒頭主題旋律第1小節目に由来する16分音符の動機が繰り返される。楽章の終わりでは、和声が次々に移り変わる中盤の後で主調を強調するように、主調のドミナントとトニックの和音が繰り返される。

 楽器法の観点から言えば、ヴァイオリンがピアノと交替で旋律を奏でたり2つの楽器の「対話」のような短い動機のやり取りによって音楽が形成されているだけでなく、中盤の短調という重要な転調でヴァイオリンが主声部になっている点からも、いかにヴァイオリン声部が要として機能しているかがわかる。

執筆者: 丸山 瑶子

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