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カバレフスキー :24の前奏曲 スケルツァンド:ノン・トロッポ・アレグロ Op.38-22

Kabalevsky, Dimitri:24 Preludes Scherzando: Non troppo allegro Op.38-22

作品概要

楽曲ID:44234
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:2分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (920文字)

更新日:2018年3月12日
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<22.スケルツァンド:ノン・トロッポ・アレグロ>

このプレリュードはミステリアスな雰囲気の中にも楽しさがあります。このプレリュードで大切なことはまずアーティキュレーションです。譜面上に細かく書かれてあるアーティキュレーションを厳格に守り、かつ、その他の声部の音価を守るようにします。例えば3小節目の3拍目、テノールの部分がメロディーラインですが、これは4分音符ですので4分音符分伸ばします。しかしその他の声部はスタッカートですので、それも守ります。つまり出来る限り声部を独立させてください。

もう1つの注目するべき要素はリズムです。この曲は4分の3拍子で15小節目まで進みます。ところが16小節目から4分の2拍子になり、カバレフスキーはこの2拍を、3+2+3の16分音符で3つのグループに分けています。それぞれのグループの最初の音にはテヌートマーキングかアクセントが付いています。要は2拍子を感じず、グループ分けでユニット1つ1つを感じるように弾きます。この2+3+2のグループは後の小節にも登場します(例:25小節目、27小節目等)。この辺りから拍子は目まぐるしく変わります。この2+3+2のグルーピングが無い小節は、その拍子の拍を感じるようにします。

ダイナミックに関してです。このプレリュードの場合、特にドラマティックな書き方ではありませんので、個人的にはフォルテシモや極端なピアニシモは必要無いと思います。一応形式を分析すると、ABAとなり、Aは1-14小節、Bは15-42小節間、このBセクションでは、38小節目が最もテンションの高まるところですが、ここですらフォルテ1つしか書かれていません。カラーが変わるところは、突然h-moll に転調する24小節目です。そして再び戻るAは43小節目以降になります。

曲は淡々と進みますが、58ー60小節間はカデンツの部分です。ここばかりは自由に、即興的に演奏し、60小節目の8分音符がその前の2小節間の16分音符から、突然倍のスピードに変わるのではなく、自然に60に達することができるように工夫をしてください。

全体の雰囲気は、ドラマティックではなく、軽く、鋭く、テンポを揺らさず進むと良いです。

執筆者: 大井 和郎
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