<20.アンダンティーノ・センプリーチェ >
葬送をイメージさせるとても深刻な曲です。
◉ 不気味な低音の伴奏とともに、4小節目3拍目から死に対する悲しみを歌う、悲痛な歌が始まります。
◉ 8小節目3拍目から12小節目まで、カバレフスキーの優しい一面が出ている歌で、慰めの歌です。たっぷりと歌ってください。
◉ 13小節目、上から下に降りてくる装飾音は、涙が落ちる様子を描写しています。下では、不気味な低音が葬送を演出しています。
◉ 16小節目より、2つの、悲しい歌 と 涙 が合わさる部分です。装飾音によってメロディーの粒や流れが崩れないように注意してください。
◉ 20小節目より、4小節遅れのカノンが現れますが、メロディーラインは歌の部分である8分音符と考えますので、もう片方にある4分音符は弱めに弾いてバランスをとります。
◉ 28小節目以降は悲しみの表現ですが、精神面でかなり取り乱している部分です。34小節目、多くの短2度や、長7度によって心の乱れを表しています。常にフォルテで、最大限表現してください。
◉ 36-39小節目。多くの作曲家は人間の泣き声を半音階で描写します。ここも同じです。左手のメロディーラインそのものは半音階ではありませんが、Aナチュラルが、右手のBとクラッシュします。左手をたっぷり歌います。
◉ 40小節目、再びAセクションに戻りますが、バスのオクターブの他に、内声も加わります。内声をcrescendoして、気持ちの高ぶりを表現してください。
◉ 48小節目、再び涙の描写です。
◉ 52小節目、2拍目のCの音は曲の最後までタイで繋がれて終わりますが、3拍目はスタッカートが書かれていますので、右手で弾いたCを指で残し、すぐ左手で入れ替え、和音をスタッカートで弾きます。その際にCが外れないようにしてください。
◉ 53小節目、1拍目、両手ともスタッカートで短い和音を弾き、その後でも49小節目のCが、響いていることを計算してCの音量を決めてください。