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カバレフスキー :24の前奏曲 アンダンティーノ・センプリーチェ Op.38-20

Kabalevsky, Dimitri:24 Preludes Andantino semplice Op.38-20

作品概要

楽曲ID:44232
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:3分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (846文字)

更新日:2018年3月12日
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<20.アンダンティーノ・センプリーチェ >

葬送をイメージさせるとても深刻な曲です。

 ◉ 不気味な低音の伴奏とともに、4小節目3拍目から死に対する悲しみを歌う、悲痛な歌が始まります。

 ◉ 8小節目3拍目から12小節目まで、カバレフスキーの優しい一面が出ている歌で、慰めの歌です。たっぷりと歌ってください。

 ◉ 13小節目、上から下に降りてくる装飾音は、涙が落ちる様子を描写しています。下では、不気味な低音が葬送を演出しています。

 ◉ 16小節目より、2つの、悲しい歌 と 涙 が合わさる部分です。装飾音によってメロディーの粒や流れが崩れないように注意してください。

 ◉ 20小節目より、4小節遅れのカノンが現れますが、メロディーラインは歌の部分である8分音符と考えますので、もう片方にある4分音符は弱めに弾いてバランスをとります。

 ◉ 28小節目以降は悲しみの表現ですが、精神面でかなり取り乱している部分です。34小節目、多くの短2度や、長7度によって心の乱れを表しています。常にフォルテで、最大限表現してください。

 ◉ 36-39小節目。多くの作曲家は人間の泣き声を半音階で描写します。ここも同じです。左手のメロディーラインそのものは半音階ではありませんが、Aナチュラルが、右手のBとクラッシュします。左手をたっぷり歌います。

 ◉ 40小節目、再びAセクションに戻りますが、バスのオクターブの他に、内声も加わります。内声をcrescendoして、気持ちの高ぶりを表現してください。

 ◉ 48小節目、再び涙の描写です。

 ◉ 52小節目、2拍目のCの音は曲の最後までタイで繋がれて終わりますが、3拍目はスタッカートが書かれていますので、右手で弾いたCを指で残し、すぐ左手で入れ替え、和音をスタッカートで弾きます。その際にCが外れないようにしてください。

 ◉ 53小節目、1拍目、両手ともスタッカートで短い和音を弾き、その後でも49小節目のCが、響いていることを計算してCの音量を決めてください。

執筆者: 大井 和郎
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