カバレフスキー :24の前奏曲 アレグレット Op.38-19

Kabalevsky, Dimitri:24 Preludes Allegretto Op.38-19

作品概要

楽曲ID:44231
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:1分00秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (743文字)

更新日:2018年3月12日
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<19.アレグレット>

このプレリュードは、ミリタリー(軍事的)な雰囲気と道化の雰囲気が一体化しているような、ユーモラスな一面と厳格な一面を両方持っているプレリュードです。冒頭の表示にはallegrettoとしか書いていませんが、marciale と付け足してあっても不思議では無いほど、正確なタイミングでテンポは揺れることなく、淡々と進むべきプレリュードです。

このプレリュードのキーポイントは歯切れの良さです。アーティキュレーションを鋭く保つことが重要です。例えば冒頭の和音、鋭い、短い、強い、軽い、スタッカートで演奏します。以下注意点を箇条書きにします。

 ⦿ スラーとスタッカートの対比がこの曲の醍醐味です。アーティキュレーションは譜面に書かれてある通りに弾いてください。5-8小節間の左手など特にそれが欲しいところです。

 ⦿ 9-10小節間、細かい5連符が出てきますが、決してテンポを落とさないように。5連符は一気に弾きます。ppでも鋭さは忘れないように。

 ⦿ 15-22小節間、打楽器的に弾いても構いません。裏拍から出る左手は特に強調します。この時も、18小節目と20小節目に出てくる細かい音符をオンタイムに弾いてください。決して遅れることのないように。

 ⦿ 別の考え方としては、3つのキャラクターによる音楽と考えることもできます。即ち: キャラクターA 1-4 キャラクターB 5-8 キャラクターC 9-10 として、再び A 11-14 Aの怒り 15-22 進化したB 23-26 相変わらずのC 27-28 再びA 29-30 Aのミニサイズ 31-35などです。

これはほんの一例に過ぎませんが、各素材を把握し、それぞれのキャラクターを持たせると音楽的に面白くなります。

執筆者: 大井 和郎
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