メンデルスゾーン :ピアノ協奏曲 第1番 第2楽章 Op.25 O 7

Mendelssohn, Felix:Konzert für Klavier und Orchester Nr.1 Mov.2 Andante

作品概要

楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) 
ジャンル:協奏曲
総演奏時間:6分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 髙橋 祐衣 (501文字)

更新日:2020年4月3日
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3部形式、ホ長調。ピアノによる短い導入の後、チェロとヴィオラが穏やかな旋律を歌い始める。華やかな響きを持つヴァイオリンを敢えて休みにし、代わりにチェロの高音域に主旋律を与えたことは特筆すべきであろう。このことにより、温かく渋みのある、どこか哀愁に満ちた響きが生み出されている。オペラのカヴァティーナを思わせる主部(a-a-b-a’)に続いて、ロ長調の中間部では、ピアノ・ソロが細かい音価での即興的な音型を奏でる。再び主部に戻ってくると、これらの音型は変奏されてオブリガートとして現れている。2度目の主部においても、やはり低音域の楽器が管弦楽の主体であるが、それに応えるピアノの右手は高音域に集中しており、そのことによって独奏者のオブリガートが透き通るように聴こえてくる。響き豊かな低弦の旋律と、ピアノの高音域の瑞々しさ、そしてそれらが組み合わさることによって生みだされる遠近感は、実に見事である。フラット系の主調(ト短調)に対し、シャープ系のホ短調がこの第2楽章に与えられている点も非常に興味深い。遠隔調を選択することにより、現実とは離れた、どこか別の世界の存在が、ここに暗示されているのかもしれない。

執筆者: 髙橋 祐衣
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