ハイドン :ソナタ 第14番 第3楽章 Hob.XVI:3

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.14 Mov.3 Menuet - Trio

作品概要

楽曲ID:32144
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:3分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:C級級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用3 応用4 応用5

楽譜情報:5件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (621文字)

更新日:2024年6月17日
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まず、掛留音という音楽用語を勉強しましょう。これは、非和声音の一種です。前の小節や前の和音から1つの音を引き延ばして、次の和音の中に含ませる技法です。英語ではサスペンションと言います。掛留音というとなんとなく聞こえ方が難しいですね。ここでは「サスペンション」という言葉を使います。このメヌエットには多くのサスペンションが出てきます。そしてこれらのサスペンションは非和声音ですので、次に必ず和声音に解決されます。この、解決されることをレゾルーションと言います。

例を見ていきましょう。9小節目、3拍目には、G B Cisという和音があります。この中のCisが、次の小節10小節目の和音に引き延ばされて装飾音になっています。10小節目は本来DFAという和音ですが、Cisが入ってきています。これがサスペンションです。

演奏のコツとしては、このCisに少しアクセントを付け、Dは、Cisよりも音量を落としてください。抜けるように、かすかにきこえるように弾きます。絶対にDにアクセントが付かないようにします。

このような箇所があっちこっちに出てきます。同じマナーで弾いてみて下さい。

16小節目、分析すると1拍目はCEG、2拍目はGHDと考え、その考え方も間違ってはいませんが、この16小節目全体をGHDの和音と仮定し、ト音記号のEとヘ音記号のCをサスペンションと仮定すると、2拍目は1拍目より弱く演奏する事がわかります。このような考え方で楽譜を観て下さい。

執筆者: 大井 和郎