グラナドス :祈りの書

Granados, Enrique:Libro de horas

作品概要

出版年:1912年 
初出版社:Dotésio
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:7分30秒

解説 (1)

総説 : 井澤 友香理 (914文字)

更新日:2014年1月20日
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3曲の小品から成る曲集。1900年代初頭に起こったカタルーニャ・ルネサンス (ラナシャンサとも呼び、カタルーニャ地方の文芸復興運動を指す) に影響を受けている。曲集名は中世末期頃に流布していた祈祷書に由来しているが、作風としてはグラナドスが好んだロマン的傾向がみられる。3曲全てに標題が付けられ、特に2曲目の「ナイチンゲール」、3曲目の「苦しみ」というテーマは、ピアノ組曲《ゴイェスカス》にも登場する (「ナイチンゲール」は〈嘆き、またはマハとナイチンゲール〉、「苦しみ」は〈愛と死〉において想定されているテーマである)。また後に組曲から改作されることになる歌劇《ゴイェスカス》の第1幕第3場の展開が、すでにこの小品集に現れているとも考えられる。楽譜は1912年に出版され、1913年3月23日バルセロナにて初演された。所要演奏時間は約7分。

1. 庭で En el jardín

ヘ長調。4分の3拍子。アンダンテ。

音の跳躍が少なく、弧を描くようななだらかな動機が特徴的である。同時代に作曲されたピアノ小品と同様、ショパンやシューマンらに影響を受けた作風である。

2. 冬に (ナイチンゲールの死) En invierno (La muerte del ruiseñor)

ホ短調。4分の4拍子、4分の2拍子。ウン・ポコ・アド・リビトゥム。

3部形式のこの曲は、全体を通して不吉で重々しい曲想である。左手に現れるシンコペーションのリズムは、刻々と時を刻んでいくように繰り返される。「ナイチンゲールの死」と表記された下降動機がアド・リビトゥムで奏でられ、消えるように曲が閉じられる。

「ナイチンゲール」はグラナドスが好んで用いた素材であり、この点でピアノ組曲《ゴイェスカス》中の1曲、〈マホとナイチンゲール〉との関連が認められる。

3. 苦しみのなかで Al suplicio

4分の4拍子。レント。

1曲目にみられたような旋律線はなく、和音とそのアルペジオによって成り立っている。これは、前曲で死んでしまったナイチンゲールを弔う鐘の響きを表現したものである。

すなわち、この楽曲もピアノ組曲《ゴイェスカス》中の〈愛と死〉に関連していると考えられる。

執筆者: 井澤 友香理

楽章等 (3)

庭園で

総演奏時間:1分50秒 

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冬(死とナイチンゲール)

総演奏時間:3分00秒 

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苦しみのなかで

総演奏時間:2分50秒 

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