速度標語の通りメヌエットのスタイルで書かれたソナタ。スカルラッティの殆どのソナタと同様に、ソナタ形式の原形とも言うべき二部形式(この曲の場合は短いコーダが付く)で書かれている。
一聴すると単純な曲に聴こえるが、前半で第一主題のみ提示され、後半が第二主題(属調)―第一主題(主調)―第二主題(主調)という捻った構成を取っている。そのため、リピートを楽譜通り行うと第二主題(主調)の後続けて再び第二主題(属調)が弾かれることになる。また、第二主題の提示は属調のヘ長調だが、IVの和音(変ロ長調の主和音と同じ)で開始される上に、旋律にEsが含まれるため、直ちには転調が感じられず、なだらかに曲が繋がって聴こえるようになっている。