リドー・ルージュ社（後にデュランが吸収）のピアノ曲集『6つの演奏会用ピアノ小品』（Six pièces de concert pour piano）所収。ダマーズのほかにはピエール・マックス・デュボワ（リトルネロ、オーバード）、ジャン・ギユー（ノクテュルヌ、アンプロンプチュ）の各作品が収載されている。ダマーズのタランテラとカリヨンは各々独立した小品で、別々に弾いてもよい。1971年にはミシェル＝エリーズ・ケラール（Michèle-Elise Quérard）の演奏でLP盤（Inedit ORTF 995019）も出ており、ダマーズのピアノ曲の中では比較的早くから聴かれていたものの一つである。《タランテラ》はロ短調、8分の6拍子、アレグロ・ヴィーヴォ、タイトルに見合ったスパイスと諧謔味に富む軽快な作品である。《カリヨン》はハ長調、4分の4拍子、プレスト、鐘の音を模した高音部の細やかな音の綾、うねるような起伏と高潮、消え入るようなラストがドラマティックな効果を上げる。