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ダマーズ, ジャン=ミシェル :短音節による小品集(4つの小品)

Damase, Jean-Michel:Pièces brèves

作品概要

出版年:1955年 
初出版社:Henry Lemoine
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集

解説 (1)

執筆者 : 平野 貴俊 (751文字)

更新日:2016年2月12日
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1957年、アンリ・ルモワンヌ社から刊行された4曲からなる曲集。各曲にはタイトルが付されていない。教育用に書かれたのかどうかは定かではないが、グリッサンドなど、ダマーズの曲によくみられるヴィルトゥオーゾ的要素は皆無であり、学習者でも容易に取り組むことができる。 第1曲  アレグロ・モデラート。1956年12月 Lime で作曲。右手は十六分音符による一定のシンプルな音型を繰り返し、跳躍の多い左手の伴奏がそれを支える。ハ長調を基本とし、調性が頻繁に移り変わる。転調が引き起こす色合いの微妙なグラデーション、そして右手の高音へ向かおうとする動きが、ダマーズの他の多くの作品と同様、屈託のない明るさを音楽に与えている。 第2曲  アンダンティーノ。1956年10月ブエノスアイレスで作曲。右手が半音階的で緩やかな単旋律を奏で、左手が増4度や減5度、減7度などを多用しながら伴奏する。ダマーズの作品としてはめずらしく調性をもたず、協和音程がほとんど用いられていない。曖昧模糊として不安げな雰囲気をたたえた音楽である。 第3曲  プレスト。1956年11月サンティアゴで作曲。終始ひとつの旋律線が、幅の広い跳躍やアルペジオを交えながら、軽やかに進んでいく。調性は第2曲と同様に定かではないが、終盤にハ長調が明瞭に認められる。 第4曲  アレグロ・ヴィーヴォ。1955年12月リヨンで作曲。第1曲と同様ハ長調。素朴で覚えやすい素材が登場する点も第1曲と共通している。幅広い跳躍を含む冒頭の溌溂としたモチーフと、旋律と伴奏が明確に分かれてやや甘い色合いを帯びるモチーフが緩やかに交替する。後者が2度目に現れるとき登場する親しみやすい旋律とその直後の転調は、ダマーズ作品のもつ晴れやかさと瀟洒さの典型的な例である。

執筆者: 平野 貴俊
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