スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ ハ短調 K.84 L.10
Scarlatti, Domenico:Sonata c-moll K.84 L.10
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
解説 : 林川 崇 (252文字)
スカルラッティのソナタの中にはスペインやポルトガルの民族色が感じられる作品も少なくないが、この曲もその一つ。生涯の半分以上をリスボンやマドリードで過したスカルラッティにとって、自然と当地の音楽も耳にしていたことは想像に難くない。
左右の掛け合いが多用されており、全編を通じて用いられている3度や6度の力強い響きに加え、両手交互の16分音符や速いスケールなどのヴィルトゥオーゾ的な書法も目立つ一方、14小節目の対斜や、第23小節などの内声に現れる減音程などによって、ハーモニーの色彩も豊かな作品となっている。