スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ K.76 L.185 ト短調
Scarlatti, Domenico:Sonata g-moll K.76 L.185
執筆者 : 丸山 瑶子 (205文字)
K. 76 3/8 Presto 2:30 繰り返しこみ
一貫したリズムと部分同士の動機の対応関係が統一感をもたらすが、作品全体の構造は規則的、安定的とは言い難い。
随所に見られる不均衡な楽節構造、形式上の区切りにおいて完全終止を避ける傾向があることや(第6、35小節など)、定型化した和声リズムの中断と予測不能な自由な声部進行の挿入(第8-11小節)などは、完全な安定を避け流動性を確保する措置ではないだろうか。