スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ K.71 L.81 ト長調
Scarlatti, Domenico:Sonata G-Dur K.71 L.81
執筆者 : 丸山 瑶子 (253文字)
K. 71 Allegro G-dur 4/4 2:10 繰返しこみ
両手の模倣で曲が始まり無窮動的な16分音符が続くというのは実によく見る構成。
第9-10小節の半音進行、第17-18小節における半小節間隔の調変化(D→A→a)などに和声的色彩を増す工夫がある。
第9-10小節では属和音第7音g2が直後に下行解決せずにa2への上行を繰返し、保続低音と共に属音が強調されて目的調が確定されるが、対応する第17-18小節では目的長に安定せず、すぐ同主短調へ転調してしまう。
これも和声的単調さが回避された例である。