スカルラッティ, ドメニコ :ソナタ 変ロ長調 K.66 L.496
Scarlatti, Domenico:Sonata B-Dur K.66 L.496
執筆者 : 丸山 瑶子 (226文字)
K. 66 B-dur Allegro 4/4
冒頭の刺繍音と跳躍から成る動機、第10小節の低音に出てくる4分音符と8分音符のリズム動機が作品の主要素材である。前半では、直前の和音の解決を省いた、第24小節、第42小節の短調への転調が、際立った和声的変化を生んでいる。後半の第75小節からは、単一の動機の繰返し、7ないし9の和音の不協和な響き、低声和音の構成音の増加による音量の拡大が次第に音楽の緊張を高め、中間部にふさわしいクライマックスが形成される。